よだれが異常に多かったり、強い口臭を放つ原因としてはいくつかの病気が考えられます。
歯肉炎、歯槽膿漏、口内炎、胃炎、尿毒症、犬ジステンパー、レプトスピラ症などです。
歯肉炎は歯垢を放置しておいたために歯石がたまり、歯肉に細菌が侵入して炎症を起こす病気です。
歯が抜けてしまうこともあり、悪化すると歯槽膿漏に進行します。
口内炎は異物や薬物などを飲みこんだり、口にしたために口の中の粘膜が炎症を起こす病気です。
カビが原因になることもあります。
歯肉や舌にまで症状がおよび、うっとうしい痛みが続きます。
痛みのため、犬は食事をあまりとらなくなります。
水もしみるので飲みたがらなくなります。
症状が進行すると炎症は潰瘍にまで悪化します。
歯肉炎、歯槽膿漏、口内炎とも、よだれの量が増えて強い口臭がするようになります。
いずれの場合も早めに症状を発見して獣医さんに見てもらいましょう。
高橋ナツコ
食欲、排泄物、動作や反応などの状態をチェックしておくことです。
病気や障害があると、ほとんどの場合、変化が出ますのでよく観察して見逃さないことが大切です。
愛犬の様子がおかしいときは体温、脈拍、呼吸などを調べてみるのもよいでしょう。
そのためにはそれぞれの測定の方法や正常時の数値を知っておくことも必要です。
ただし、その結果にあまり神経質になったり、逆に重大な病気の徴候なのに見過ごしてしまったというのではいけません。
あくまでデータはデータとして、最終的判断は獣医さんに任せましよう。
体温、脈拍、呼吸など、犬種や年齢、個体によっても多少の違いがあることを頭に入れておいてください。
体温を測るには犬用の体温計がベターですが人体用のでもかまいません。
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体温計の先にぬるま湯かオイルをつけて、肛門から3?ほど奥へ、静かに回すようにして挿入してください。
体温は正常時、子犬で38・5℃?39℃、成犬で37・5℃?38・5℃が標準です。
脈拍は犬の後ろ足の内側、中央より上の部分に指を当てて測ってください。
子犬の場合、1分間に90??回、成犬の場合、同じく70?0回くらいです。
呼吸は胸や腹部の上下動を見て測ってください。
安静時は1分間に15?20回くらいです。
数だけでなく、呼吸音にも異常がないか注意してください。
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ほかの病気と同様に、皮膚病も予防が最良の治療になります。
努めて愛犬を皮膚病にかからせないようにしましょう。
寄生虫による皮膚病の原因は、そのほとんどが不潔な被毛など、手入れの不備によって起こります。
ブラッシングやシャンプーなどを行い、犬の体をつねに清潔に保ってあげることが大切です。
とくに長毛種や耳の長い犬など、直接皮膚の見えにくい犬種は症状を見落しがちになります。
ふだんの手入れを通してよく観察しておきましょう。
症状があった場合、早期に発見することができます。
また、ホルモン障害、内臓障害、栄養障害、ストレスなどが原因で皮膚病になることもあります。
バランスのとれた食事を与えて、運動も十分にさせるなど、日常の管理も予防になります。
治療法としては病状の違いや、症状の進行によって当然異なってきます。
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犬は皮膚病にかかりやすいものです。
日常的なブラッシングやシャンプーなどの手入れを行い、体を清潔に保ってやるとともに、皮膚に異常がないか、絶えず観察しておくことが必要です。
おもな皮膚病として、アカルス症、痔癬症、急性湿疹、皮膚真菌症、接触性皮膚炎、肢端舐性皮膚炎などがあります。
アカルス症は毛包虫というダニの寄生によって起こります。
患部が赤くなり、フケが出て脱毛したりします。
症状が進行すると化膿して濃汁が出るなど、悪性で治療が困難な皮膚病です。
沐引癬症は犬穿孔癬虫というダニが皮膚の表面に穴を開けて寄生することにより起こります。
かゆみが非常に強いのが特徴です。
患部が脱毛して赤い斑点が出たりします。
かきむしったために傷になり化膿し、かさぶたができます。
症状がひどくなると、全身かさぶただらけで象皮のようになります。
射、抗ヒスタミン剤、ビタミン剤などを使用します。
皮膚病にかかると、かゆさのためにかきむしって傷を作ることがよくあります。
その傷口から細菌が侵入すると、二次感染を起こすことになります。
皮膚病だけでなく、この二次感染の治療も行わなければなりません。
いずれにしろ、皮膚病はいろいろと難しい面がありますので、素人療法は避けて、必ず獣医さんの診断を受けるようにしましょう。
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犬の皮膚病の代表的なものです。
体質的なものもありますが、神経質な犬がかかりやすいようです。
ビタミン欠乏などの栄養障害、肝臓、腎臓、胃弱などの障害、被毛の不潔、傷などが原因になります。
発生箇所としては、耳の後ろ、首、背中、陰部などが多いようです。
皮膚が赤くなり脱毛して、赤く腫れてきます。
腫れた部分が湿疹になりジクジクとしてきます。
進行すると患部がただれてきて悪臭を放つなどの症状を示します。
皮膚真菌症はカビによって発生します。
シラクモやタムシなどの名で知られています。
皮膚が赤くなりフケや脱毛が増えるのが特徴です。
接触性皮膚炎は酸、アルカリ、石けん、洗剤、ノミとり首輪などの刺激物質に触れたために起こる皮膚の炎症です。
腹部、胸部、指の間、肛門の周囲など、比較的被毛の薄い部分の皮膚が侵されやすくなります。
まず、皮膚が赤くかぶれて熱を持ちます。
かぶれがひどくなると、かゆいためにかきむしって傷を作り化膿することもあります。
肢端舐性皮膚炎は足先など一部分をなめ続けることによって起こる皮膚病です。
脱毛から、病状が進行すると、びらんして潰瘍になることもあります。
異物の付着やストレスなど、なめる原因を除くことが大切です。
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犬が病気をした場合、症状によっては家庭で薬を与えることもあります。
薬は勝手な素人考えで与えては絶対にいけません。
かかりつけの獣医さんの処方に従って、正しい投薬の方法で与えるようにしましょう。
錠剤やカプセルを与えるときは、まず左手で頭の上からかぶせるように上アゴをつかみます。
そのまま、頭を上に向かせるようにして口を開けさせ、右手の錠剤を犬の舌の奥の部分に置きます。
そして、そのままノドの奥に押し込み、左手で犬の口を閉じさせながら頭を水平の位置に戻します。
ー液体の薬を与える場合は薬をあらかじめプラスチックのスポイト状のものに入れておきます。
左手で犬の上下のアゴを閉じさせ、少しゆるめるようにして、犬の犬歯と臼歯の間からスポイトを差し込んで注入します。
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メスの中老犬で最も多い子宮の病気。
初期症状は見つけにくいのですが、水を飲むBが増えて尿が多くなる、食欲にむらが出て貧血や嘔吐などの症状が見られたら、この病気が疑われます。
これも若いうちの不妊手術が有効です。
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人間同様、犬も体の各部に腫瘍ができます。
近年はことに悪性腫瘍の発生が多く、メスでは乳腺腫瘍が多く発生します。
成犬になる前に卵巣摘出手術(不妊手術)を受けるのが有効です。
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代表的なものにぼんやりして動きの鈍くなる甲状腺機能低下症、太って水をよく飲む副腎皮質機能n進症、糖尿病など。
肥満ぎみの犬はかかりやすいので、肥満防止を心がけましょう。
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子犬は乳離れがはじまるまでは、自分で自由に排泄することができません。
飼い主は排便、排尿をさせてやる必要があります。
この場合、脱脂綿やティッシュペーパーを利用して、肛門、陰部などをやさしく刺激してやると、自然に排便・排尿がおこります。
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多くの中年以上の犬に、僧帽弁不全(心臓の左の2つの部屋を仕切る弁の病気)がおこってきます。
この病気が進むと、最後は肺水腫といって、肺に水がたまり、呼吸ができなくなって急死する病気にまで発展します。
最初は呼吸がはやくなったり軽いセキがでるぐらいですが、そのうちに呼吸困難(苦しい呼吸)がおこるなど、死亡率の高いおそろしい病気です。
心臓病は、まず定期的に検査を受けることが大切です。
現在では、よい薬をうまく組み合わせることでたとえ重い心臓病であっても、何年も気持ちよく生活させてやることができます。
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この病気はあらゆる心臓疾患の末期症状として表われるものです。
運動時の動悸、息ぎれ、呼吸困難などをはじめ、ひどくなると安静にしていても、さまざまな症状が見られるようになります。
心臓病の程度によっては薬を与えることだけではなく、塩分を制限した食事療法がポイントになります。
つまり、体のなかの塩分が増えると、それだけ血液の量も多くなるので、心臓に負担がかかるからです。
アメリカから輸入されている心臓病の犬に理想的な処方食が動物病院に用意されていますので、よく相談してみることです。
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中年期から老年期に入るころにおこる犬にもっとも多い心臓病です。
フィラリア症をのぞいてのことですが、この病気にかかるとがんこなセキがよくでたり疲れやすくなったり、呼吸困難や失神をおこすこともあります。
セキが夜や朝がたに多いのも、この病気の特徴です。
原因については今だに不明ですが、いろいろな要因がからみあい、僧帽弁膜が変形したり、のびたりすることによって、弁の閉鎖が不完全になり、血液が左心室から左心房へ逆流するために、このような症状がでてくるのです。
この病気になった場合、弁をもとの状態にもどすことはできませんが、注意深い聴診、レントゲン検査、心電図などによって、病気の進み具合を診断し、病気の程度に応じて、いろいろな段階の治療を行うことができます。
もっとも、軽い段階であれば、強い運動をさけるだけでよいのです。
また、塩分を制限する食事療法の段階、何種類かの薬を必要とする重症とに分けられます。
この病気になると、生涯治療を続けなけれぼなりませんので根気がいります。
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この病気は蚊によって広められ、・10臓内や肺の血管内に虫が寄生することによっておこる病気です。
この寄生虫は成虫ですとオス0?15センチ、メス25?30センチの"そうめん"のような虫で、おもに心臓の右心室内と肺動脈内に住みつきます。
この病気はゆっくり進行するので、飼い主も気づかないことが多いのです。
病気がだんだん進んでくると、セキや疲れ、食欲不振などの症状があらわれ、やがて運動中に倒れたり、黄疸がでるよ川うになります。
ときには赤い尿を出したり、お腹に水がたまって大きくふくらんだりします。
こうなってからでは、治療もたいへんやっかいです。
飼い主もお医者さんもたいへんな苦労をしなければなりません。
場合によっては、手術で心臓や肺から虫をとり出さなければならないことさえあります。
やはりこの病気もまず予防が大切で、蚊の発生期間(四月?=月ぐらい)に予防薬を与えることによって、完全に予防することができます。
すでに蚊にさされた可能性がある犬は、薬を与え始めるまえに血液を調べ、フィラリアの子虫であるミクロフィラリアがいないかたしかめることが大切です。
仮にミクロフィラリアがいることに気づかずに予防薬を与えると、ひどい副作用がでて、犬が死亡することもあるので注意しましょう。
従来の予防法は、毎日長期にわたって投薬しなければなりませんでしたが、最近、特殊な抗生物質(エバメクチン、ミルベマイシン)が開発され、一カ月に一度薬を与えることでこの病気を予防できるようになりました。
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犬にもウイルスによっておこる、こわい肝炎があることをご存知でしょうか。
伝染性肝炎とよばれるこの病気は、ジステンパー同様、ヘタをすれば死を招く、おそろしい代表的な伝染病のひとつです。
しかし、人間にはうつりませんし、また予防注射でほぼ完全に予防することができます。
症状は元気がなくなり、食欲もおちて、嘔吐したり、黄疸がでたり、ひどいものでは原因不明のまま急死することもあります。
また、病気の回復期に目が白くにごる(急性前ブドウ膜炎、ブルーアイ)という、特徴的な症状を示すものもあります。
病気の重さは犬によってまちまちですが、子犬では一晩で死亡するケースも少なくありません。
また、数週間も症状を示すもの、病気にかかってもまったく外に症状があらわれない場合もあります。
こうしたケースでは、尿からウイルスが排泄され、他の犬にも感染してしまうので、その意味でも予防注射が必要です。
この病気の予防には、ワクチンが使われていますので、定期的に接種しておくことが大切です。
ふつう、ジステンパーと混合のワクチンになっています。
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ジステンパーは、ウイルスによっておこる伝染病です。
症状としては、まず下痢、嘔吐、高熱、セキ、目ヤニ、鼻水などがでます。
病気が進むと、肺炎、てんかん症状のでる脳炎、手足が動かなくなるせきつい炎などの症状がおこるものもあります。
ウイルスによる病気ですから、免疫が完全でないと、いつでもどこでも感染する可能性があります。
とくに、子犬、老犬、病中病後や手術後の犬では、いっそう死亡率が高まります。
予防法はワクチンを正しく接種すること。
子犬では、ふつう2カ月前後で1回目、3カ月前後で2回目を接種、あとは毎年1回の追加接種をします。
ただし、2カ月以前でも母犬ゆずりの免疫がない場合には、飼い始めたらすぐに第1回目を接種し、以後、2カ月、3カ月齢に接種します。
母犬のわからない捨て犬などは、もっと早くワクチンを接種することになりますが、くわしいことは病院に相談してください。
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子犬は、足の骨や背骨が曲ったり、関節がはれたり、運動をいやがったり、重症になると歩行困難になる、あるいはちょっとしたことで骨が折れるということがよくあります。
これらはいわゆる骨の病気で、栄養性二次性上皮小体機能充進症、ぞくにいうクル病です。
症状がひどくなるまえに、なんとなく動きたがらない、また原因不明の足の痛みや足をひきずるようであれば、この病気を疑ってやることです。
原因は、食事のなかのカルシウムとリンのバランスが悪い、カルシウムの絶対量の不足があげられます。
お医者さんは食事の内容を聞いただけで、それとわかるはずです。
さいわいなことに、正しい栄養のバランスがとれたドッグフードと犬用のミルクを与えることで予防できます。
また発見が早ければ、ほとんど完全になおすことができます。
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犬が寝ていると、ピクピクッと体を動かすことがあります。
しかしこれは生理的なもので、病気ではありません。
しかし、けいれん、ひきつけ、失神など、さまざまな原因が考えられます。
まず、脳に異常があったり、ジステンパーのような伝染病や中毒などでもけいれんやひきつけが見られますし、肝臓が悪かったり、血液中のブドウ糖の不足による低血糖症や低カルシウム欠乏症でも、こうした症状が見られることがあります。
脳の異常ということであれば、まずてんかんが考えられますが、脳の腫瘍の場合もあります。
発作があればなにが原因となっているかをさっそく見てもらい、適切な処置を受けることが必要です。
さらに、犬舎にはひさしを設けてやるとか、日また、夏場に日射病や熱射病にかかり、けいれ中の散歩をさけるなどのきめ細かな配慮をするこん、ひきつけをおこすケースも少なくありません。
とくに、子犬と老犬は熱射病にかかりやすいので、不用意に自動車にとじこめたり、日陰のない場所につなぎわすれたりしないことです。
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セキがでるときは、鼻、のど、気管や気管支、肺などに炎症をおこしていたり、心臓病が重くなっていることが多いので、必ず専門家にくわしく診断してもらうことです。
高橋ナツコ
犬がなんとなく元気がなかったり、鼻水がでたり、セキをしたりすると、お医者さんまでがよく人の場合と同じように「カゼ気味です」とか「カゼです」などと診断しますが、本当にそうでしょうか。
これは明らかに間違いです。
もちろん、急性のセキではウイルス性のもの、細菌によるもの、アレルギー性のものがあげられますが、これらはいずれも、"カゼ"ではありません。
しかし、フィラリアやジステンパーの予防をしていない犬は、それらの可能性をいつも考える必要があります。
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