犬のほうから飛びついてこようとしたときには、すかさずしゃがんで愛撫し、間に合わず飛びっかれてしまったならば、犬の前足を下ろしてから愛撫を与えるようにすると、犬は必ず座ってからでないと主人は愛撫をしてくれないのだと悟ります。
これらを、子犬のうちから習慣化していけばいいのですが、実際は、犬に接する家族全員がそのような態度をとらねばならないので、なかなかやっかいなごどです。
あるいは犬舎をお持ちの方は、その床を高くして、犬が前足を金網に置いて立ち上がらなくとも、外の人間の目と犬の目の高さが合うように工夫したり、また犬が立ち上がったときに、ちょうど目の高さになる部分を板で囲うと、犬は立ち上がっても何も見えないので、飛び上がる習慣が少なくなります。
以上の方法と同時に、犬の思慕心を傷つけない程度に、消極的な強制を与えれば、このしつけは完全です。
高橋ナツコ