犬は家畜として、長い年月を人間と生活をともにしてきている動物です。
しかし、その特性そのものは、野生時代の習性をそのまま、もち続けているのです。
自分または自分たちの領域に入ってくるものを、鋭い5感をもってきびしく警戒し、敵を見ると敢然と立ち向かう闘志などは、その最たるものです。
要するに、犬はこの人間には遠く及ばない5感、つまり視・聴・嗅・味・触の感覚があるからこそ、家畜の中では最も厚い信用を受け、人間社会に古くからとけ込んでいるわけです。
この特性に目をつけたロシアの生物学者、パブロフ博7が、犬を実験動物に使って、条件反射の研究に役立てたことは有名です。
このように、犬は人間社会の科学方面にもずいぶん寄与しているのです。
1957年には、ソ連のスプートニク第2号に乗せられた2頭のライカ犬は、地球を一7回も回って、いろいろ貴重なデータをもち帰りました。
以来、人間にかわいがちれるのみならず、尊敬されているワンくんです。
犬をよく理解し、犬と仲よく生活するためにも、犬のいろいろな能力や習性を知っておくことは大切なことです。
高橋ナツコ