奇跡というほかありません。
ロビンスさんは、八年前突然半身不随になりました。
まだ一四歳だったロビンスさんの頭に落下してきたコンクリートの塊は、彼女の頭蓋骨を破損し、脊髄に半身不随になるほどのダメージを与えました。
治療にあたった医師が、一命を取りとめたのは奇跡だといったほど、ひどいけがでした。
医師は、なんとか彼女を励まそうとしましたが、半身が動かなくなった彼女にとって、どんな慰めも、今までの夢や興味もすべて無意味なものになってしまったのです。
「三年前にエルトン(介護犬)に会うまでの日々は、口では言い表せないほど私にとって残酷なものでした。
誰とも話もせず、何もせずに、一日中テレビだけを観ている生活。
高橋ナツコ