白と黒のしっぽは、人間たちの緊迫した表情とは裏腹にピンと立って楽しそうに揺れています。
任務についてから三年目になるこの捜査犬は、爆発物発見の功績をあげた優秀犬です。
小さな背中が急に、部屋の中で忙しく動き始めました。
八番目の部屋です。
犬の嗅覚は奥のタンスにかくされたわずかな爆薬の臭いを嗅ぎ分けました。
ボーダーコリーは臭いの元を確認すると、身を伏せてタンスに向かって吠え始めます。
爆弾を見つけた合図です。
ハンドラーは、ポケットから何かを出し、ドアのところで犬を呼びました。
犬はよろこんでそれをくわえ、すぐに、ハンドラーと共に部屋から走り出します。