2015年2月アーカイブ

老犬だからとか、凶暴すぎるといった理由で殺されることはありません。

病気であまりにも苦しい状況にある場合のみ安楽死させます。

毎月二〇頭あまりが収容され、その半分が引き取られていきます。

新しい飼い主が見つからなかった場合も、死ぬまでめんどうをみてもらえることになるのです。

犬が吠え続けているおりの中に、おそるおそるカメラマンが入ったとたんでした。

犬たちがお腹をだして体をあずけてきたのです。

吠えていたのは、「なでてよ。さわってよ」
の意味だったのです。

スタッフのやさしさに、どの子も、今までの苦しい環境や人間からのひどい仕うちも忘れ、見知らぬ人にも甘える「人間好き」の犬に生まれ変わっていたのでした。

高橋ナツコ
「避妊もせず、子犬が生まれたといっては捨てる。

または、子犬のうちはかわいいから飼っていても、大きくなったからといっては山にすてる。

そんな島民たちの行動を責めるべきなのでしょうが、あまりに貧しい人が多くてそんな状況を見ると責められない」

レンクールさんの言葉は切実です。

常春のテネリフェ島。

観光客の多い島の中心地では自由犬も生きやすいのですが、砂漠に近い環境や、山深い土地もあり、そんなところに置き去りにされた犬は、食べ物もなく悲惨な運命をたどるしかありません。

高橋ナツコ
代表になるのにふさわしくない人物だった場合、メンバーの合意による新たな人物の選出ができるわけですから、このシステムはこういった団体にマッチしたものだと思います」

民主的な運営システム。

メンバーの意見が団体の運営に強く反映できる二年ごとの選挙は、この協会の特色といえるでしょう。

基金は、メンバーからの定期的な寄付と、旅行者などからの寄付金で占められます。

総額は毎月四〇万ペセタ(約三一二万円)以上にのぼりますが、それでも、食費やフィラリアなどの治療代でぎりぎりか、赤字の運営です。

収容された子たちは、島の人々にすてられた犬です。

高橋ナツコ
掃除や食事づくりのほかに、病気やけがの手当、そして、運動場への犬たちの何回もの移動といったら大変な労働量です。

「みんな犬が好きで、苦にならないんですよ」
と、広報担当のリタ・レンクールさんはあたり前のことのようにいいます。

彼女がドイツからこの島に移住して二二年間がたちます。

古くからの団体のメンバーの一人です。

現在、一〇〇から一二〇人いるというメンバーは、年間五〇〇〇ペセタ(約四二〇〇円)の寄付金を納めています。

彼らは、基金をサポートするだけでなく、団体の代表を二年ごとに選出する義務も持っています。

「二年というのは、代表になった人物の適性を見るにはいい期間です。

高橋ナツコ
この子が食べている間は、ボランティアのミス・ロリがつきっきりでめんどうをみています。

ミス・ロリは、獣医学部の学生です。

「掃除のために床に薬品をまいてあるので、この子を下に降ろせないんです。

いつも、テーブルの上で食べさせていますが、落ちてしまうと危険なのでこの子が食べている間は、ずっと誰かが見ていることになるんです。

水を飲む暇もおしんで掃除をしているボランティアの忙しさと、子犬につきっきりで御飯を食べさせているようすは、反比例しているようでとても不思議です。

高橋ナツコ
英国人の女性がたった一人で始めた保護活動が、少しずつ大きくなり、現在は一〇〇人以上のメンバーを持つ、テネリフェ島の代表的な保護団体となりました。

掃除の行き届いた清潔な施設の中には、一〇八頭の犬が収容されていました。

「この子は、ジュリー。

この子は、......。

おりの中の犬たちは、名前を呼ぶたびにうれしそうにとび出してくるようです。

一頭ずつにボランティアが名前をつけています。

食事も一種類のフードを簡単に与えるのではなく「クック(料理)」とスタッフが呼ぶように、各々の健康状態に合わせていろいろな種類のフードを混ぜて与えています。

手間のかかる作業です。

高橋ナツコ

協会には・・・高橋ナツコ

動物病院や動物福祉センター等も含まれていますが、保護した動物たちや施設などにかかる費用は、年間三一〇〇万ポンド(約五〇億円)。

これらの莫大な費用は、すべて善意の寄付によって賄われているのです。

女性がたった一人ではじめた犬の保護団体は、欧州の代表的リゾート地・カナリア諸島のテネリフェ島にある犬専門の保護団体です。

古い歴史を持つRSPCAとはちがい、運営についてもまだまだ手探りといった感じですが、ボランティアの人たちの熱意に強く心を打たれました。

設立は、1974年。

二〇周年を迎えたばかりの若い団体です。

高橋ナツコ
売春をなりわいにするしかないといった苦しい時代だったのです。

そんな時代に「動物に対する残酷な行為の防止」を目的とする団体が民間で考えられ、善意の人々の強い意志によって動き出していたというのは驚異です。

歴史や文化を知れば知るほど、この国のふところの深さを感じてしまいます。

協会の財政難は深刻でしたが、度重なる戦争も、二度の世界大戦もその運営を妨げず、現在、独自に三〇〇人の団体調査員を持ち、支部の総数は二〇七にのぼる世界で最も大きな保護団体のひとつに成長しました。

報告書では、1992年には八万八六三二件を調査し、そのうちの三〇〇三件におよぶ動物救出を記録しています。

高橋ナツコ
もともと動きがのろく、性質もおとなしく、かみつく心配もないので、小さい子どもに安心して世話をまかせられます。

神経質な面もあります。

恐い時には、頭を持ち上げて周りのようすをうかがいます。

聞きなれない音や声を聞くと、じっと動かなくなります。

ちょっとした音でも目をさますので、モルモットが眠る昼間にテレビの音や、人声がうるさい家庭では工夫が必要です。

人と遊ぶのも大好き。

一日に一度は部屋の中で放してあげましょう。

また、金アミで囲って庭に置くと日光浴にもなります。

夜行性なので、朝寝坊な人に向くかもしれません。

なめらかな短毛のイングリッシュ種、固い巻毛のアビシニアン種、そして長毛のペルビアン種など種類はいろいろです。

毛質に関係なく、自分の前歯で手足のゴミをとったり、前足で顔をふいたり、毛づくろいをします。

でも、毛を飲み込んで毛球症という病気になることもあるので、長毛種は、必ずブラッシングが必要です。

それが嫌な人にはすすめられません。

高橋ナツコ

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