子犬の心理からみた飼いやすい時期・・・高橋ナツコ

犬の小児科学は、ワシントン大学心理学部の準教授であるM・W・フォックス博士(ロンドン大学王立獣医大学卒の獣医学博士)の「犬の小児科学」(一九六六年刊)の刊行を出発点とする新しい分野の学問に属しますので、これまでの犬に関する出版物の中で、ほとんどとりあげられることがなく現在に至っています(注)。

フォックス博士は、子犬の出生後の社会心理学的発達について項目を起こして、次のように
考察しています。

野生動物を飼い馴らすのには、成獣より幼獣のほうがずっとやさしい、ということは常識になっているわけですが、これは犬の場合にもいえることで、人と接触することによって、社会に適応させるのに好適な時期というものがわかってきたのです。

そして、この最適期は動物の種類によって、出生後の年齢はまちまちであって、出生時すでに個体が十分成熟して生まれてくる小鳥類や羊などでは、早い時期(数時間)に仲間同士の社会に適応することもあるので、出生して数時間後には、他の動物に対して恐怖心を示すようになるといっています。

犬の場合は、出生時は未成熟の動物に相当しますから、徐々に感覚系や運動系の器官が発達し、機能が発達すると、はじめて母犬や環境から独立できるようになり、生後三週と四週の間が、仲間とも社会的に適応できる重要な時期となります。

子犬を計画的に人と接触するようにして育てた実験では、社会適応化しやすいのは、約三週齢から=二週齢の間であることがわかり、=二週齢以降では社会適応化がひじょうに難しくなり、二二週齢まで人と接触なしで育てると、野生的で、扱いにくい犬となってしまいます。

これらの実験を実際例にあてはめてみますと、あまり早い時期(三?四週齢)に親から離して人の手で育てると、人にはよく馴れますが、犬の世界になじまなくなり、性的にも無力になってしまいます。

このことは、極端に早い時期に他の種属(人)への社会適応化を行なうのは望ましくなく、さらに、社会適応化の最適期(一〇?=一週齢)以後に親から離すと、人や家庭環境に十分馴らすことができなくなってしまうというのです。

以上の考察をまとめてみますと、子犬を同腹の兄弟犬と離して飼う適期は、七週齢(ニカ月半)から=二週齢(三カ月)の間という結果になるのです。

高橋ナツコ

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このページは、-が2012年7月31日 00:44に書いたブログ記事です。

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