やせてガリガリになったり、目やにでいっぱいといった病気猫はあまり見かけません。
とくに、モモと呼ばれる三毛猫は、幸せそうでした。
建蔽率ギリギリに建てた家と家の隙間で暮らしていました。
二軒の家主も五年間にわたるモモの借り宿を許しています。
おとなしくて、気だてがいいので、近くの幼稚園児が昼食の残りなどを持って、モモのところにやってきます。
動物を飼えないマンション暮らしの住人が増えているので、モモは子どもたちのマスコットといったところでした。
日向ぼっこをしているモモを見ていると「ふうん、自由猫も悪くないじゃない」と、思いました。
高橋ナツコ