エルトンにはロビンスさんの身体の不自由がわかるらしく、彼女のようすを見て心配そうな顔をしたり、言われなくても手伝おうとするのです。
そして、エルトンが持ってきた物を受け取るために手を伸ばしたり、用事をいいつけるために声を出したりといった単純な動作が、ロビンスさんのリハビリにもなっていきました。
ひとつひとつの動作に時間のかかるロビンスさんにエルトンはいやな顔ひとつしません。
「早く早く」とせかすこともありません。
少しずつ、本当に少しずつ、ロビンスさんは、自分なりに不自由な身体を動かすようになっていきました。
「エルトンのおかげで私はまったく変わってしまいました。
高橋ナツコ