出産(その2)・・・高橋ナツコ

出産が近づくと、母犬は落ち着きがなくなり、何度も排尿排便を繰り返し始め、床に穴を掘るように掻いて巣作りのような行動を始めます。

徐々に呼吸も荒くなり、陣痛が始まると、タオルを噛んだり、尾をピンと上げお腹に力を入れるように体をそらしたり踏ん張ったりして、犬によっては息むような鳴き声を上げます。

陣痛の問隔は、最初15?30分ぐらいですが、胎児が産道を降りて来るに従い、徐々に短くなり、激しくなります。

まず最初に、陰部が開きピンク色の羊水の入った袋が出てきます。

これは、母犬が瑠って破れてしまっても問題ありません。

陣痛が続くのになかなか出てこない場合、陰部に指を挿入して、子犬の方向や位置を確認をするとよいでしょう。

異常胎位の場合、帝王切開などの判断もつきます。

正常胎位であれば、かなり激しい陣痛に続いて、羊膜に入った子犬が頭から出てきます。

チワワなど超小型犬の場合、そのまますんなり全身が出てこない事が多いので、慌てず滑らないようにガーゼを使い、ゆっくり引きずり出すように介助してやります。

全身が出てもまだ膀帯(へその緒)がつながっていますので膀帯をゆっくりと引っ張って胎盤も引き出します。

あまり子犬に近いところを引っ張ると、切れやすいので注意して下さい。

残ってしまっても、通常は後に出てきますが、出産のダメージが大きかったりすると、残って子宮内の炎症の原因となる事がありますので注意して下さい。

引き出す前に、鉗子で挟んでおくと後から引き出すことができます。

胎盤が子宮から剥がれるか、膀帯が切れたり鉗子で挟んだ段階で、母胎からの血流が途絶え、子犬は羊水によって溺れ窒息する危機に瀕します。

速やかに、羊膜を破って呼吸を確保するようにしてください。

高橋ナツコ

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このページは、-が2012年10月13日 14:44に書いたブログ記事です。

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