2012年8月アーカイブ

脱肛(直腸脱)・・・高橋ナツコ

大腸カタールのために、ひどい下痢を何回となく繰り返すと、直腸が翻転して、肛門外に脱出することがあります。

これは、発見が遅れると、脱出した腸に浮腫が生じ、さらに進行すると、脱出部が壊死を起こすために、腸管切除などの大手術を必要とするような事態になります。

直腸脱は、習慣性になりやすいので、専門医の十分な手当が必要です。

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嘔吐・・・高橋ナツコ

犬は嘔吐しやすい動物とされ、嘔吐は軽視されがちですが、中毒や伝染病の前駆症状の場合もあるので、犬の状態をよく観察することが肝要です。

子犬では、異物を飲み込んだときに、それを吐き出そうとしてよく枢吐がみられます。

また、幽門痙攣といって、胃の幽門部の神経異常のために、胃に食物がたまるとすぐに吐く疾患もあり、なかには奇形的に、食道の一部が狭窄していて、食物が胃に入らずに吐き出される例などもあり、さまざまな原因で嘔吐が招来されますので、注意深く観察する必要があります。

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下痢・・・高橋ナツコ

子犬の腹下しは、比較的多い症状です。

寄生虫が原因となる場合、食べ物が不適当な場合、離乳食の失敗、過食などでも下痢を起こすことがあります。

また、細菌性の腸カタールも意外に多く、ジステンパーなどの初期症状でも下痢を起こすので、原因をよくつきとめなければいけません。

単純な下痢は、食事の制限で翌日にはよくなりますが、もし長びくようなときは、獣医師の診察を受け、よく原因をつきとめてください。

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ケンネルコフの主要ウイルスである、犬パラインフルエンザ・ウイルスは空気伝染するので、集団飼育している場合は衛生面に注意し、発病した犬は隔離するようにします。

予防ワクチンは、外国では製品化されていますが、わが国では、まだ製品化されていません。

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1)年齢
幼若な犬、栄養状態の悪い犬が感染しやすい傾向があります。

2)発熱
一般に体温上昇、軽度なものは平熱です。

3)外観
ジステンパーの初期症状によく似ています。

4)消化器症状
通常なし。

5)呼吸器症状
がんこな咳、鼻汁の分泌。

6)その他
結膜炎、口腔粘膜の充血。

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ケンネルコフ・・・高橋ナツコ

ケンネルコフは、集団飼育において衛生状態の悪い場合に起こり、がんこな咳を主症状とする伝染性呼吸器病です。

呼吸器症状の程度は、軽度の咳から、重症の気管支肺炎と、さまざまです。

ケンネルコフの病原体は、犬パラインフルエンザ・ウイルスを主因とした数種のウイルスと、気管支炎を起こす数種の細菌との混合感染により発病し、この混合感染の程度で、病状は軽度のものから重症なものへと変わってくるのです。

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レプトスピラ症に感染している犬や、ネズミの尿に接触したり、水たまりの水は飲ませないように気をつけることです。

現在では、レプトスピラ症の不活化ワクチンが製造されているので、ジステンパーワクチン、伝染性肝炎ワクチンとともに接種できます。

また、レプトスピラ単味のワクチンもありますので、特にネズミが多い場所では接種の必要があります。

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大別すると、二型に分けられます。

(1)力ニコーラ型(犬チフス型)
感染初期、一時的に発熱(三九・五度?四〇度)。

嘔吐や下痢があらわれる頃には体温は、平熱またはそれ以下となります。

嘔吐は一般にはげしく、水を飲んでは吐き、一定時間後、また水をほしがり、しばらくするとまた、大量に嘔吐します。

下痢は、暗赤色、または黒色の出血性で、病状が進行すれば、腎障害のため、尿毒症を起こし、口粘膜や舌がただれ、口内悪臭、目やにがでて、眼険がくっついてしまうなどの症状がで、全身の脱水症状も著しくなります。

死亡率六〇?八〇パーセントです。

(2)ワイル型(黄疸型)
この病原体は、人→家ネズミ→犬と互いに感染し合うので、公衆衛生上重要視されています。

嘔吐は、カニコーラ型よりやや軽いのですが、黄疸症状をあらわす傾向が強く、黄疸を発症すると数日以内に六〇?七〇パーセント死亡します。

年齢
年齢層は広く、老犬では死亡率がひじょうに高くなります。

発熱
初期に一時的高熱、経過中は平熱、またはそれ以下です。

主な症状
白り外観はなはだしい脱水症状、削痩。

消化器症状
食欲廃絶、吐、口粘膜潰瘍、悪臭。

呼吸器症状
通常なし。

目の症状
結膜充血、目やに、黄疸黄染。

神経症状
末期に全身痙攣。

その他
腎臓部圧痛、黄疸。

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伝染の方法・・・高橋ナツコ

レプトスピラの病原体は、病犬の尿とともに排出されます。

これらの病原体は皮膚からも侵入し、経口、経鼻的にも感染し、また膣粘膜からも入ることがあります。

また、レプトスピラを持っているネズミを捕食したり、ネズミの尿に汚染されたものを食べたりしても感染します。

湿地帯や小川、下水道の周辺、長雨のあとなどにこの病気が多発する傾向があります。

注意したいのは、不顕性型の犬がいて、健康体にみえながら病原体を尿中に出しているものがあり、これがレプトスピラ症を蔓延させています。

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レプトスピラの病原体は、わが国の稲田竜吉教援によって一九一四年に発見され、人のワイル氏病の病原体であることが証明されました。

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犬のレプトスピラ症は、犬独特のレプトスピラ・カニコーラと呼ばれるものと、人のレプトスピラ症の病原である黄疽出血性レプトスピラや、秋疫(あきやみ)の病原、レプトスピラ・オータムナリースなどが犬に感染する場合も少なくありません。

犬は、他の動物に比べて、レプトスピラに対する感受性が高く、諸外国でも、その国に分布しているレプトスピラが、犬に感染するのがめずらしくないとされています。

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伝染性肝炎は、ジステンパーと同じように、ウイルス性の致命的な伝染病ですから、発病してからでは、このウイルスを完全に死滅させる薬品はありません。

幸いなことに、獣医学の進歩によって伝染性肝炎の生ワクチンが製造可能になり、現在では、ジステンパー・ワクチンと混合された、ジステンパi・肝炎二種混合ワクチンが使用されるようになっています。

二種混合ワクチンを接種すれば、両者の免疫が獲得され、予防ができるわけです。

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1)年齢
ジステンパーより年齢層の幅が広く、生後数週間から十数歳に至るあらゆる犬がかかる。

2)発熱
高熱(四〇度以上)を認める。

3)主な症状
外観ぎこちない歩き方、背湾曲。

4)消化器症状
下痢、嘔吐、腹痛、口粘膜、歯肉の点状出血、食欲不振、口渇。

5)呼吸器症状
原則としてない。

6)目の症状
まぶしそうな目、流涙、角膜混濁。

7)神経症状
時に狂騒症状を認める。

8)その他
扁桃の腫大、眼険、頭頸部の皮下水腫。

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伝染の方法・・・高橋ナツコ

伝染性肝炎は、ジステンパーのように空気伝染はしません。

病犬の分泌物(唾液・鼻汁)や排泄物(主として尿)と接触することで感染します。

この病気について調査を行なっている研究室では、病犬と健康犬を一五センチ離しておけば感染しないといっています。

ただ困ったことは、伝染性肝炎にかかって回復した犬で、尿中に長期間ウイルスを排泄しているものがいることで、現在までに判明している例では、五?九カ月もウイルスを出していた記録があり、一見健康でも、保毒犬(保菌者)がいるという事実です。

東京都内の野犬の尿を検査した報告によりますと、外見上、健康と思われる犬の五・九パーセント(下町)?一五パーセント(山手)もウイルスが証明されたと述べています。

この伝染性肝炎が、ジステンパーほど流行しない理由は、はじめに書いたように、空気伝染をしないたあですが、ジステンパーなどと合併して発症することも多く、きわめて危険な伝染病です。

ひじょうに急性の経過をとるものもあり、中毒死と見誤まられることもしばしばです。


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犬伝染肝炎・・・高橋ナツコ

この病気は、スウェーデンのルバルス博士が、犬の伝染病についての二〇年間の研究を集大成し、特別なウイルスによって起こる犬の伝染病であることを発表(一九四七年)し、ルバルス病とも呼ばれた病気です。

それより以前、一九三四年には、ジステンパーの研究で有名な、アメリヵのグリーン博士は、養狐場の伝染病を研究してジステンパーと別個の狐脳炎ウイルスを分離しましたが、このウイルスが犬の伝染性肝炎(ルバルス病)のウイルスと同一であることがのちに判明して現在ではアデノウイルスー型と呼ばれています。

犬と狐に共通で、野生のコヨーテもかかるといわれますが、ミンクやイタチなどは、このウイルスを接種しても発病しないことがわかり、ジステンパー・ウイルスと明らかに区別されます。

病原ウイルスを電子顕微鏡で観察した学者は、直経八〇?八五ミリ・ミクロンの円形粒子であると報告しています。

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アルコール、クレゾール、逆性石鹸など、一般に用いられる消毒薬はほとんど効果がありません。

病犬の排泄物で汚染された場所や、犬具、食器などは次亜塩素酸ソ」ダを30倍に水でうすめて使用してください(消毒薬オーヤラックス、または家庭用漂白剤、ハイター、ブリーチなども同じ効果があります)。

この30倍液は、かなり高濃度ですから、使用上の注意をよく守ってください。

予防ワクチンは、開発中でまだ市販されていませんので、緊急予防対策については主治医の先生にご相談ください。

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パルボウイルスに感染した犬は、何日かの潜伏期を経て、突然嘔吐や下痢を現わし、元気も食欲もまったくなくなります。

病気の程度で症状も異なりますが、重症犬では激しい枢吐や下痢、血便のたあ急激に衰弱してしまい、生後二、三週齢の子犬に感染すると、外見上健康に育ってきた元気な子犬が突然虚脱状態になり、呼吸困難の症状を現わし、手当する間もなく死亡する例もみられます。

生後四?八週齢の間に、次々に発症することが多く、急性の経過は、ウイルスが心筋を障害するために起こるのです。


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最近、従来なかった新しいウイルス病が、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスなどから次々に発生の報告がみられ、またたく間に世界中にひろがり、日本でも流行がみられるようになりました。

パルボウイルス感染症とかパルボウイルス性腸炎とよばれる新しいウイルス病で、伝染力がきわめて強く、死亡率も高い伝染病です。


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生ワクチンは、専門的知識と技術がうまく駆使されれば、接種後二?三週間で病犬に接触しても発病しないだけの抗体ができます。

しかし、この抗体は一?ニカ月で最高値を示し、ゆるやかなカーブで低下していき、ついには消失する時期がくるといわれています。

この消失する時期は、最高値の高さが犬によってまちまちなので、一力年は大丈夫とか、ニカ年ぐらいは発病しないとかは言明できません。

ただ考えられることは、何カ月後かに抗体が減りつつある時期に、その犬にジステンパー・ウイルスが侵入すると(付近に流行があって感染すると)不顕性感染(病状をあらわさない)で、再び抗体のカーブが上昇するということです。

過去には、都会や郊外を問わず犬の多いところでは、少なくとも一年に一回はジステンパーの流行がみられましたので、ジステンパー・ウイルスは犬の散歩道などに散らばっていたので、症状のあらわれない感染があって永久免疫になると考えられていたわけですが、現在都会では、室内犬が多くなるにつれ、ジステンパーの爆発的流行があまりみられなくなっているので、かえって年一回の追加接種の必要がでてきているのです。


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ワクチンを接種したのにジステンパーにかかってしまったという場合がありますが、これらの例の中には伺ワクチンの保存法の誤り。

生ワクチンは、温度差に敏感ですから、運搬時もアイスバッグに入れるほど神経を使う必要があります。

1)ワクチンの接種時期が不適当であった場合。

2)子犬が健康でないときには抗体ができにくいことがあります。

すなわち栄養状態が悪い、寄生虫が多数いるということも、抗体のでき方に微妙に影響を及ぼすことが指摘されています。

こういった失敗がないものとしてのジステンパー・ワクチンの予防率は、八五パーセント以上といわれています。


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「雌動物が雄を迎えて交尾に応ずる性欲の発動を発情という。この時期の雌は動作や態度に変化があり、不安、興奮、食欲の変調をきたし、外陰部の腫大、膣粘液の流出の増量などが起こる」(星修三著・犬の繁殖生理く文永堂刊V)というのが、動物一般の発情についての学問的表現ですが、犬の発情徴候の特徴としては、外陰部からの出血があげられ、「出血が発情のはじまりである」と、どの本にも記されています。

出血の量はまちまち出血の量は、犬の個体によつてかなりの差があり、ほとんど出血がみられない例から、床を点々と血液でよごすものまでさまざまです。

出血の量だけで発情が正常であるか、異常なのかを判断することはできません。

出血で発情の発見がしやすいというぐらいの意味に考えておいてください。

無出血のこともめずらしくない出血に気づかないうちに、発情が進行して、交配の適期になっているというケースが少なくありません。

こういう例は、特に小型犬に多いのですが、出血量が少ないため、犬が自分でなめて始末してしまうので気づかなかったという例と、まったく無出血の発情との二つの場合があります。

しかし、肉眼的に出血が認められなくても、分泌物を顕微鏡で調べると、赤血球が多数認められ、出血の所見はあるわけです。

雌犬が、しきりにお尻のほうをなめているときは、よく観察し、外陰部がふくらんでいるようにみえたら、出血がなくても獣医師にスメアー検査(分泌物の細胞検査)を依頼するのがよいでしょう。

出血期間にまどわされないようにアリストテレスが記載した出血期間の七日は、はっきりした出血を示す例の平均的日数で、これから先、だんだんと出血がうすくなってきます。

そうしてピンク色から、さらに薄くなった頃が交配適期といわれていますが、分泌物の色だけで判断するのはあやまのです。

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およそ二五〇〇年前に書かれたアリストテレスの『動物誌』の中に、犬の繁殖について次のような記載があります。

「犬の最初の交尾は、生後八カ月で、通常一二歳まで妊娠可能な年齢で、なかには一八歳、二〇歳で出産した例もある。

妊娠期間は六〇?六三日で、六〇日より短いことはなく、もしそれ以前に生まれても育たない。

出産した雌は六カ月で再び交尾する。

月経は七日間で陰部はふくれあがる。

雄の交尾を受け入れるのは、その後の七日間で、一般に一四日間発情している」(アリストテレス全集・島崎三郎訳〈岩波書店刊〉)この記録はきわめて正確で、現在でも立派に通用するのには驚くばかりです。

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ペット犬を飼われる方は、雄犬を求める例が多く、あまり繁殖を希望しない人が多いようです。

しかし、たまたま雌犬を仕方なく飼った人が育てているうちに、こんなに性質がよく、面倒もかからないのだったら、子犬を産ませて、楽しみたいと思うようになるものです。

また、はじめから雌犬を求めて、家中犬だらけにして、犬との暮らしを思う存分味わってみたいと計画されている方もいるでしょう。
そういう人たちのために、犬の繁殖について正しい知識を持っていただくために、このブログを設けましたが、犬の繁殖とは、単に子犬を産ませるということでなく、良質の犬を作り出すということを常に念頭におくことがたいせつで、その犬の欠点を次代で補正するようにしなければならず、ペット用だからと安易に考えるのはよくありません。

多少理屈っぽいところもありますが、繁殖をすすめるための実際と、医学常識をこえない範囲で生理学的内容も配慮するつもりです。

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プードルやマルチーズ、ヨークシャー・テリアなどは、耳の穴の入り口の毛が多い種類に属します。

これを放置しておくと、不潔になるだけでなく、外耳炎の原因にもなりますから、除去しておくほうがよいでしょう。

毎日、少しずつ指でつまんで毛を引き抜く方法がとられていますが、一度に広範囲に毛を抜くと、炎症を起こす恐れがありますので、根気よく、何日かかけてやるのがよいのです。

この耳の手入れも、子犬のときから、耳の中や、口の中を点検する行為に馴れさせておけばいやがらずにさせるでしょう。

耳の穴があまりよごれているときは、市販の綿棒でふくとよいのですが、オリーブ油をつけて、一日おいてからよごれを浮かしたあとで、これをふきとります。

オキシフルなどは刺激が多いので使わないほうが無難です。

分泌物が褐色で、悪臭があったり、膿性の分泌物のときは外耳炎の症状ですから、早めに獣医師の手当てを受けてください。

外耳炎は慢性化しやすいので、素人療法で長びかせないよう、早期発見、早期治療が特にたいせつです。

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手入れ用具・・・高橋ナツコ

ペット犬の普及とともに、犬たちの手入れ用具やアクセサリー、化粧品に至るまで店頭に飾られていますが、必需品はごく限られています。

櫛(くし)金属性のピアノ線(太い針金)を植え込んだ、荒い目と細かい目が半分ずつある形式のものがよく、長毛種のマルチーズ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリァ、ペキニーズ、シェルティなどには必要なものです。

一枚の金属板をツゲぐしのように切り込みを入れたものは、デザイン的にはよく見えますが、からんだ被毛をときほぐすには不適当です。

いろいろな形式のブラシが作られているのですが、合成毛より天然の豚毛ブラシなどのほうが、被毛につやがでるといって好まれています。

ゴム板に釘を埋め込んだ形式のピンブラシや、ごく細いワイヤーで作ったスリッカーなど、それぞれ用途に応じて使い分けます。

ハサミやバリカンも、自分でトリミングするときには必要な用具となります。

ペット犬は、屋内飼育が多いために、爪が伸びてしまいますから、適当な時期をみて切ってやらなければなりません。

爪切りも何種類か様式がありますが、一番普及しているのは、刃がスライド式になっているもので、原理的には犬の爪切りとして適したものといえます。

長毛種の頭部を飾る可愛らしいヘアピンが作られていますが、子犬のときには、まだ被毛が足りませんので不用です。

アクセサリーは、自然にとれて落ちてしまい、子犬がいたずらして飲み込んでしまうことがありますから、十分注意しましょう。

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食器・・・高橋ナツコ

安定のよい、耐久性のあるステンレス製のものがよく、プラスチック製は安価ですが、犬が噛じったり、よごれが落ちにくいので、食器は、少々値段が高くても高級品を購入すべきです。

食事用と水飲み用のものと二個用意すればよく、コッカー・スパニエルのように耳の長い犬が、食べるときに耳が食器に入ってよごれないように、口径の狭い、背の高い形のものも売っています。


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首輪や引き紐・・・高橋ナツコ

長毛種の犬には首輪をつけてはいけません。

首輪のために、たいせつな被毛がすり切れたり、くせがついてしまうためです。

ペット犬用の運動のための引き紐(リード)は、いろいろな材質で、使い方も工夫されたものが販売されています。

犬種に合った太さや長さのものがよいのにきまっていますが、成長するまでには、犬が噛んでしまったりして、二、三本買うことになりますので、消耗品と思って、あまり高級なものでなくてよいでしょう。

首へまわすのでなく、前肢のつけ根に、はかせるように使う形式のものもあり、ペット・ショップの店員さんに相談しながら、安全で使いやすいものを選んでください。

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犬種に応じた大きさの室内犬舎を用意してください。

それに付属させて畳半分か、一枚ぐらいのサークルがあれば理想的です。

このサークルは、子犬が排泄の場所を憶えるまで使うのですから、日曜大工で簡単なものを作ってください。

子犬用ですから、飛び出ないぐらいの高さがあればよく、低いほうが、よごれた新聞紙を取りかえたり、食器の出し入れなど何かと便利です。

雌犬を飼って、将来繁殖を試みようという場合は、サークルがまた必要になりますから、この際買い求めておくのもよいでしょう。

室内犬舎は、屋根が平らで取りはずしができ、間口が広く、両開きの戸扉のある形式のものが使いやすく、この構造ですと、繁殖用の出産箱にも使えますから、犬種に応じて、十分の広さのあるものを購入してください。

犬舎は、廊下やベランダに近く、明るくて陽あたりのよい場所に置き、当分の間、サークルの中は、一面に新聞紙を敷いて準備完了です。

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住居に接したところで、陽あたりがよく、風通しのよい場所に犬舎を設定してください。

ベランダを利用したり、居間からそのまま犬舎に行けるようベランダ風に設計するのもよい方法で、食事を与えたり、手入れやしつけをするうえで便利ですし、雨の日などでも、おっくうにならないで使いやすいものです。

庭に自由に放し飼いとし、犬の寝場所を作るだけでしたら、既成品の犬舎を求めれば、準備OKですが、犬舎の大きさや構造については、
その犬種の成犬になったときの大きさを十分考慮し、さらに雌犬を飼う場合は、子犬を産ませることなども想定したうえで選択することがたいせつです。

庭で自由に運動させると、植木や草花が荒らされて困ることがありますが、犬も飼いたいし、植物も大事にしたいというのは、ほんとうはわがままな欲求で、植物の犠牲はやむをえないと思わなければなりません。

もし十分なスペースがあれば、犬舎の前にかこみの柵を作って運動場にするのがよく、そうすれば草花も荒らされずにすむわけです。

床はコンクリートのたたきとして、やや傾斜を持たせて排水口を設け、下水に直結できれば理想的で、そのようにしておけばいつでも水洗いできるので清潔を保つことができます。

コンクリートの表面が粗いと、その上で走ったりしているうちに、犬の足の裏の肉球がすれて出血することがありますから、表面の仕上げはていねいにする必要があります。

この運動場にはその三分の一ぐらい屋根をさしかけてあれば、犬舎に吹き込む雨を避けることになり、夏の焼けるような陽ざしもさえぎられます。

プラスチックの波板は、加工も簡単ですが、陽かげを作る場合には不向きですから、夏のうちは、ベニア板やヨシズを乗せてやるとか、運動場の上に藤棚を作ったり、かたわらに樹を植えるなど工夫してみてください。

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子犬を入手できる見通しがたちましたら、あなたのご家庭内の環境に合い、飼う犬種の特性に応じた準備が必要になります。

柴犬やシェルティ(シェットランド・シープドッグ)、ミニチュア・シュナウツアーぐらいの大きさでしたら室内で飼うこともできますが、屋外にスペースがある場合は外で飼うようにしたいものです。

小型犬ですが、これらの犬種は、人のベッドに入り込んで寝かせるようなペットにしたくない種類に属します。

どんな犬でも、室内で生活しますと、家族の人たちに囲まれて、ともすると愛情過多に陥り、依頼心の強い性格
が形成されるために、その犬本来の個性的な性格が失われる危険があります。

しかし、部屋の中での飼育は、いつもかたわらに愛犬が満ち足りた表情ですわっているという捨てがたい雰囲気をかもし出します。

家族との夕食のだんらんの中に、犬も加わっ゜て楽しい時間を過ごすということこそ、都会生活で失われつつある人間性の回復にもつながることですから、狭い庭の片隅の犬舎に犬を閉じ込めてしまうのは惜しい気がします。

室内飼いにするか、それとも屋外にするかはあなた自身が選択することですから、その判断はあなたにゆだねるとして、子犬を迎えるための準備の要点を述べてみましょう。

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